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「はぁ~」
と、ため息をついた。
「なんだよ、さっきからため息ばっかり。」
「だって、全然車進まないんだもん。」
私は明らかに不機嫌そうに言った。
「だから、俺は連休に出掛けるのはやめようって言ったじゃないか。」
今日は3連休の初日、嫌がる彼を無理矢理に水族館に行きたいと言って連れ出した。
さすがに3連休の初日だけあって高速道路は渋滞。
退屈過ぎて、私はこんな提案をした。
「ねぇ、どうせ車も進まないんだし、じゃんけんで負けた方が勝った方の言う事をなんでも聞くってしない?」
「えぇ~」
「だって、暇じゃない。言う事は絶対に聞かなくちゃいけないの。」
「まぁ、別にいいけど…」彼はしぶしぶ了解した。
「それじゃ~いくわよ、じゃん、けん、ぽん!」
「私の勝ち~♪」
「ちっ、何だよ。んで、お前の命令は?」
彼がふてぶてしく聞いてきたので
「んじゃ~、あなたが今までにした最大の悪事を私に教えて。」
彼は気の弱い人間で、私はきっと小学生の頃に親の財布からお金を取ったとか、近所の柿の木から柿を盗んだとかその程度だろうと思っていた。
彼は少し戸惑いながら
「実は…」
と話しだした。
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