ショート・ショートのおもちゃ箱

初めて

サトシは包丁を握りしめ震えていた。
目の前には既に肉塊とかしたモノが転がっている。
サトシはこれからこの肉塊を更に細かくしなければならない。
出来る訳がない。
そんな事はした事が無いのだから。
しかし、しなければならない。
自分が撒いた種なのだから…。
意を決して包丁をさらに握りしめ、ゆっくり肉塊に下ろそうとした時、サトシの緊張の糸が切れて叫んだ。