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私は、彼が今までどんな悪事を働いたか、少しドキドキしたが、内容はやはり大した事のない
「小学生の時に同級生の靴を隠した」
というものだった。
私が残念そうに
「えぇ~、そんな事なの?」
と聞くと、彼は苦笑しながら
「お前は彼氏に大悪事を働いててもらいたかったのかよ。」
言った。
「だって~、つまらなさすぎなんだもん。」
と私は少し膨れて言った。
そんな話をしているうちに車は渋滞を抜け私達は目的地に着いた。
帰り道、今度は工事渋滞に遭遇した。
「今日は最悪。行きも帰りも渋滞なんて。」
と私が言うと
「日頃のお前の行いが悪いんだよ。」
と笑いながら彼が言った。
私が彼の方をキッと睨むと、彼は
「そうだ、今朝のじゃんけんやらない?」
と慌て言い出した。
私は
「別にいいけど…」
と素っ気なく答えた。
「じゃん、けん、ぽん!」
「今度は俺の勝ちだな。」
彼は誇らしげにチョキを見せながら言った。
「んで、あなたは私に何をさせたいの?」
と聞くと
「今度はお前の悪事を教えてくれ。」
彼に言われて私は
「本当に私の悪事が知りたい?」
と勿体ぶった。
「何だよ、早く言えよ。」私は大きく深呼吸して
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