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「ちっ!!」 後ろから何かが飛びかかってきた。 反射的にサイドステップで避けたが、オーウェンが言わなかったら危なかった。 「ウルフか!! 雑魚が!!」 俺は腰から短刀を抜くと、低い姿勢で地を蹴った。 両手の短刀で、ウルフの両目、前足を素早く切りつけた。 バランスを崩し、倒れたウルフの頭に俺は短刀を投げつけた。 二・三度ビクッと跳ねると、そのまま息絶えた。 「さすがだな用心棒。」 「あんたもよくこいつに気付いたな。伊達に兵士やってねぇな。」 オーウェンは死に絶えたウルフを見て、呟いた。 「それにしても………魔王とは恐ろしいな。 ウルフは本来は普通の犬のはず。それを、凶暴な狼に変化させるとは………」
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