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「まあいいんじゃね?所詮犬っころだしよ。
俺の敵じゃないぜ。」
やれやれ、といった顔でため息をつくと、オーウェンは懐から地図を取り出した。
「今どの辺りだ?」
「今は山中だからよくわからんが、とりあえず目的地はここだ。」
オーウェンが地図上を指差す。
「カミール、港町か。ここから一気に王国へって寸法か。」
「そういうことだ。」
「んじゃあ、ゆったりゆたゆた行きますかい。」
「魔物に気を付けながらな。」
「わかってるよ。」
「あ、そういえば。」
何を思い出した、オーウェンよ。
「お前、さっき服の話したとき、最後になんて言いかけたんだ?」
「ああ、
『女の娘にモテないだろ、あんたみたいな格好じゃ』
って言おうと。」
直後、頭を強く叩かれた。
おっさんめ。
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