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「ここはメルー。 ああ、うん、見ての通り農村。 え?俺が誰かって? 見りゃわかんだろ? …………わかんねぇの!? 用心棒だよ、この村の。」 誰に説明してるかというと、目の前の王国兵に対してだ。 「そうか、では、これを君に。」 王国兵は一枚の紙を懐から取り出した。 「こりゃ、何だ?」 「読めばわかる。」 「へいへい、っと…………… 王様、どっかで頭強く打っちゃった?」 王国兵は少し苦笑いを浮かべた後、切り出した。 「この村には酒場はあるかい? いつまでも入り口で立ち話ってのは、なぁ?」 「それもそだな。 ついて来なよ。酒場はねぇけど、俺ん家は酒しかねぇから。」
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