第3話:夏大はじまる

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「大葉くん」 「坂本…」 大葉くんからは、緊張が手に取るように感じられた。 「なーに、緊張してんの?らしくないぞ」 「俺が緊張?そんなまさか」 「見てわかるもん。緊張してるなって」 「緊張してないって」 「うそ。だって、肩に力入ってるよ」 「そうか?」 「ほら、肩の力抜いて。深呼吸」 菜摘に言われたとおり、深呼吸をするとなんだか力が抜けた気がした。 「うん、もう大丈夫だね。頑張って」 そう言うと、菜摘はスタンドに行こうとした。 「坂本!さんきゅうな。見ててくれよ、絶対勝つから!」 そう言うと、菜摘は親指を立てて前へと突き出した。 大葉もそれに答えるように親指を立てて前へと腕を突き出した。 それを見ると、菜摘はスタンドの応援席へと向かった。
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