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倉(3番だけど、スクイズあるかな?まだ、初回だし一点もやらない方向で行こう)
倉橋は内野を前進させた。
加(スクイズ警戒の前進守備か)
加山はチラッと監督の方を見た。
埼玉栄の監督はサインを出している。
加山はこくりと頷き、ヘルメットの鍔をきゅっと触った。
倉(スクイズを警戒して初球は様子見として外してみるか)
倉橋は大葉にサインを送る。
大(一球外せ?3番がスクイズやってくるかな)
倉(念のためだよ。様子見だ)
大(まぁ、先輩に従いますけど)
大葉はこくりと頷いた。
倉橋は立ち上がり、構えた。
加(バカな奴らだ。わざわざ、カウント悪くして自分の首を絞めるとはな)
大葉は倉橋のミット目掛けて、外して投げた。
倉(やっぱり、スクイズはないのか?もう一球様子を見てみるか)
2球目も同じように、外した。
カウントは0-2。
倉橋(スクイズはないのか?次は座るが、外に外してみよう)
倉橋は外のボール球を要求した。
加山は見逃し、カウントは0-3。
倉(さすがに、フォアボールは出したくないな。ノースリーだし、ここは見てくるはずだ。なら、ど真ん中に全力で投げてこい)
大葉はこくりと頷き、セットポジションに構えた。
大葉は力いっぱいに、倉橋のミット目掛けて投げた。
加(予想通り!)
キィン。
加山が打った打球はレフト方向へと飛んだ。
倉「レフトー!!!」
倉橋が叫ぶ。
倉(ダメだ。落ちる)
3塁ランナーの中田も落ちると判断すると、ホームに向け走り出した。
ボールはレフトの手前に落ちた。
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