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数日後、啓太の部屋にて…
「啓太さん、大丈夫ですか?」
「嫌味にしか聞こえないぜ…その質問…」
包帯グルグル巻きでベットで横になっている啓太を見て苦笑する薫。彼はなでしこと共に啓太のお見舞いにきていた。
「あの時、僕が気絶していなかったら…みんな、誤解せずに済んだと思うけど…すいません、啓太さん」
「仕方ないだろ…これにあれはようこがやったせいだし気にすんな」
「なにか言った、ケイタ?」
気に病む薫にヘラヘラ笑いかけると、台所でなでしことなにかをしているようこが名前を呼ばれたのに反応するが、なんでもないと言うように手を横に振った。
「…でも彼女達があんなに感情を素直に出すのは啓太さんくらいなんですよね…良くも悪くもですけど…」
「嘘偽りなく接してるからな♪」
「………啓太さん…らしいですね」
ヘラヘラ笑う啓太に微笑むと、台所からようことなでしこがお茶菓子とお茶を持ってきた。
「なんの話してたの?」
「はい、どうぞ♪」
それからは4人でたわいない話をして、いつの間にか夕方になり、
「それじゃあ啓太さん、ようこ…僕達はこの辺で…行こうか、なでしこ」
なでしこに微笑みかけ立ち上がるとなでしこも微笑み返し、側につきそうとそのまま入口のドアへと向かい、啓太とようこも見送るために向かい笑いながら手を振った。
「では失礼します」
「啓太様、ようこさん、また失礼させてもらいますね♪」
「またな、薫、なでしこちゃん♪」
「まったね~♪」
薫が出ていくと、躊躇するように俯きながら啓太に近づき、
「啓太様…悪気があったわけじゃないのはわかってますけど…ああいうことはやめてくださいね…嫉妬しちゃいますから」
頬を赤くしながらボソボソ呟くように言うとそのまま会釈して薫の後を追った。
「どうしたんだ、なでしこちゃん?」
「さぁ~ね?啓太が悪いことしたんだよ、きっと♪」
きょとんとする啓太にクスクス笑いながら1人納得するようこであった。
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