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「ねえ、なでしこ…これ、本当にともはねなの?」
啓太を踏みつけながらなでしこに詰め寄り訪ねると、
「はい、ともはねです。大人になる薬っていうのを調合して作ったらしくて、成功したから啓太様に見せるんだって勝手に屋敷から出ていってしまったんです………ともはね、帰りますよ?」
あらかた説明するとともはねのほうを向き少し言い聞かせるように言った。
「嫌だよ~!せっかく大人になれたんだし、もっと遊びたいよ~啓太様、デートしましょうよ~」
焦げて倒れている啓太をユサユサ揺らしながら駄々をこねると「デート」と言う言葉にようことなでしこが反応し、
「駄目に決まってるじゃない!」
「駄目です!」
隣にいるなでしこまで反応したのに驚いたようこが、
「なんであんたまで言うのよ?」
「へっ…えっと…その…ほ、ほら、ともはねにはまだ早い…か…ら…」
俯き頬を赤くしながらごにょごにょと呟くなでしこを見てさらにイライラしだしたようこはパチンと指を鳴らし、
「しゅくち!」
すると倒れていた啓太が消えた。服だけ残して…。
「あ~、啓太様~…むぅ~、ようこの意地悪!」
「うるさいっ!お子ちゃまが啓太とデートなんて100年はやいのよ!」
う~と唸りながら睨みあう2人をよそに、啓太の服を丁寧に畳み、
「啓太様…どこへいってしまったんでしょうか…」
「あ……わかんない…」
テヘッと舌を出して笑うようこであった。
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