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一通り満喫すると下着を元に戻し、手ぬぐいを探して腰に巻いた。
(ここはたぶん薫んちだろ…そうすると薫を探して服借りて…)
考えつついそいそとその場を後にして薫を探し始めた。
(そういえばあいつの部屋ってどこにあるんだ?…だれかいればいいんだけど…)
「啓太様?」
いそいそと歩いていると後ろから声をかけられた。振り向くと扇子を広げ口元を隠しながら怪訝そうに見つめているせんだんの姿があった。
「せんだん、良いところに…悪いんだけど薫どこにいるか知らないか?」
ヘラヘラしながら問うが、目を細めながら少し間をおき、
「薫様なら居間にいらっしゃると思いますが…啓太様、なにゆえそのようなご格好で出歩いていらっしゃるのですか?」
確かな質問だった。むしろごく当たり前な問いだった。
「悪い、せんだん。事情は後で話すからさ…ちょっと急いでるんだ」
手を合わせて頭を下げつつ居間へと走って向かっていった。
「啓太様…なにやら可哀想な方ですわね…」
いまりとさよかの笑い声やたゆねの叫び声を聞きながら小さくため息をついた。
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