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脇道に生えている花々や草でさえ生き生きとしていて、新緑の香りは悪くないねぇ。
ん?この匂いはまさか……やはりあそこからだったか。
佃煮屋のおばちゃんは今日も笑顔で接客している。
笑顔よりも、我が輩はその盛られている方に興味があるのだが。
「おや、安藤さんとこの猫ちゃんじゃないかい。食べてくかい?」
おばちゃんが手にしたのは煮干し、佃煮屋が作った煮干しさ、絶品以外の何物でもない。
是非いただくよ。
「美味しいかい?……おや、もう行っちゃうのかい、またその内来なぁー」
うむ、美味だったよ、おばちゃん。
今度も是非寄らせてもらうからね。
ニャフン、失礼、これはくしゃみでは無く咳払いさ。
では改めて、おばちゃん?我が輩は猫ちゃんと言われるほど若くは無いぞ。
さて、小腹も満たされた事だし集会所に向かうとすっ!おっと!
「ん?おぉ、わりいわりい」
近くで水やりをしていた親父が、残水を投げ捨てた。
その時の水が、我が輩を直撃するところだったじゃないか、全く、気をつけて欲しいもんだね。
我が輩は水が嫌いなんだ。
あー……足の毛が濡れてしまったじゃないか、仕方ないなぁ舐めるか!
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