序章 月影深澄

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ぴぴぴぴっ。ぴぴぴぴっ。 「う~…ぅ?」 鳴り響くのは、目覚ましのやたらと耳に障る音。 私は手を伸ばして、 ばしばしとベッドのそばに置いてあるそれをめがけて叩く。 べしっ。 やがて確かなスイッチの感触に辿り着いて、音は止まった。 「う~…」 目覚めが悪い。 「しかもまたあの夢だし…」 知らない男の子の夢。 私は最近、しょっちゅう同じ夢を見ている。 「…一体誰なんだろ」 夢の中の少年。 …まぁ、いいか。 私はベッドから降りると、学校へ行くために準備に取りかかった。
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