序章 月影深澄

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私の名前は月影深澄 (ツキカゲ ミスミ) 15歳。ちなみに今日から高一。 性別は…一人称から解ると思うけど、一応女の子。 まぁ、自己紹介っていうのはこんくらいかな。 取りあえずこの物語の主人公…だよね。そうだよね。 この話がどうなるかは知らん。 作者もわからん。 まぁ独白はこんくらいにして。 「ふぁあ…」 パタンと部屋のドアを閉めて、廊下に出る。 向かうはご飯があるであろうリビングだ。 「おねーちゃん!」 「ねーちゃんだ!」 目を擦りながら歩いていると、 バタバタと廊下を賑やかに走る足音がして、 「どーん!!」 「うわっ!?」 いきなり背中に猛アタックされて、私は前につんのめる。 振り返ると、にこにこ笑顔を浮かべているふたりの子供がいた。 「…カズホ、ユミカ。びっくりした~…」 私に元気良く激突してきたのは、小学三年生のカズホとユミカ。 …同じ施設で暮らしている、妹のような存在だ。 「えへへ。びっくりさせた~」 ユミカがにこーっと笑って、 「おねーちゃん目ぇ覚めた?」 カズホが見上げてくる。 「覚めました。あんたらのお陰でねぇ~」 そう言うと、私はカズホのほっぺを頭をくしゃくしゃと撫で回した。 「や~!ぐしゃぐしゃだよぅ」 「お仕置き。ほら、先生んとこいくよ」 「は~い」 「む~」 ごねるカズホとユミカを促して、歩き出す。 私達に身よりはない。 親のいない私達と他8人ほどの子供達は、この養護施設さくら園で暮らしている。 高校生の私は、その中でも一番年上のお姉さんというわけだ。
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