第4章 一緒に登校、一緒に下校

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夜が明け、朝。 トントントンッ。 茶色いローファーの爪先を玄関の床で叩き、靴を履く。 私は早めに起きて、学校へ行く準備をしてからご飯を食べた。 今から登校する予定だ。 「深澄さん、もう行かれるのですか?」 すると、朝食を済ませ、制服に身を包んだ若葉ちゃんが来た。 きっちりと身だしなみを整えていて、髪も結っている。 「うん。早めに行ったほうが楽だから」 私は若葉ちゃんにそう返すと、玄関を出ようとドアノブに手をかけた。回そうとした時、 「…じゃあ僕も行きます」 聞き慣れた声がして、振り向く。 声の方から現れたのは、眠たそうに目を擦っている皆守くんだった。 「皆守くん」 「お早うございます千郷さん」 皆守くんは欠伸をすると、まだ完全に覚めてなさそうな眼をこちらに向けた。 「おはようございます、若葉さんに月影さん…」 髪は相変わらず少し跳ねてふわってなってるけど、これは治らないんだろうな。 「ご飯食べたの?」 様子からして起きたばっかりみたいなので尋ねると、 「いや…朝ご飯は食べないんです」 だから背が低くて免疫弱いんじゃ…?と思ったが、私は言わなかった。 「行ってきます」 ひらひらと若葉ちゃんに手を振り、皆守くんが微笑む。 「お二人とも、行ってらっしゃいませ」 ぺこりと若葉ちゃんが頭を下げる。なんか言い方がメイドさんみたいだよ。 通学路を並んで歩き、皆守くんがまだ寝たりないのか目をショボショボさせている。 「む~…」 そう言えば低血圧って言ってたっけ。…昨日の朝はキリッとしてたのにな。 「ごめんね。もっと寝てたかったんじゃない?」 「護衛ですから。…それに、僕は朝弱いだけなんで」 大丈夫です、とにこっと目を細めて、皆守くんが微笑む。 周りには他の学校の学生達も登校している。近場の子たちが多いんだろう。 「…そういえばさ、私って…ずっとチェインから監視されてたの?」 唐突に気になって、話を切り出した。彼は目を瞬かせて、 「監視…まぁ、それに近いことはしてましたよ。学校に教員として構成員を送ったり、厳重に見回りしたり」 …そうなんだ。 「でも、なんで私が神器を持ってるって判ったのかな?」 調べる装置でもあるんだろうか。問いかけると、皆守くんは視線を前に戻し、話し始めた。
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