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ゆかりに案内され、2階の突き当たりまで来た。
「この部屋だね、一番奥だから、覚えやすいでしょ?」
確かに覚えやすい
「あ、鍵は無くさないでね。凄い怒られるから…」
「わかった…」
僕は周りを見渡しながら頷いた。
「えっと、何か聞きたい事ある?」
「…あの署名は何なの?」
「え?署名?…何のこと?」
ゆかりは何も知らないようだ。
するとゆかりが質問してきた。
「あの…ちょっと聞きたいんだけど。…駅からここまで来る間、ずっと平気だったの…?」
ゆかりは不思議そうな目で尋ねてきた。
「別に平気だったけど…?どういう意味?」
ゆかりは下を向いて、
「どういう意味って…その様子だとほんとに平気みたいだね…ならいいんだ。ごめん、気にしないで」
明らかにゆかりは何か隠している…
しかし追求しないことにした。
「じゃあ、私は行くね…」
ゆかりは歩いて行ったが、2、3歩歩いて振り向いた。
「あ、あのさ…色々と、分からない事あると思うけど、それはまた、今度ね…おやすみなさい」
そう言い残すとゆかりは階段を登って行った。
僕はそれを見送り、部屋に入って就寝した。
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