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流石に駅には人があまり居ないようだ。
ふと駅に在る一際目立つ時計に目をやった。
(もう12時か…)
時計の針は11時58分を指していた。
僕は茶色い鞄から寮までを示した地図を取り出し、少し歩いた瞬間。
辺りが真っ暗になり、音楽プレーヤーの音がプツリと切れた。
「……?」
(なんだ…?電池切れか?)
街の街灯も数多く立ち並ぶビルの明かりも全て消えてしまっている。
しかも街の所々に真っ黒い棺桶のような物が立ち並び、足元には赤い水溜まり。
心なしか空の色が変わったような気がする。
僕は地図と月の明かりを頼りに不気味な街を寮を目指して歩いて行った。
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