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僕が身支度を整える頃には、もう朝ごはんの支度が出来ていた。
僕の食器にご飯を山盛りに盛って、彼女ははい、とそれを差し出してくれる。
「お待たせしました。どうぞ」
ありがとう、とそれを受け取り、おいしいよと笑うと、彼女はまた嬉しそうに微笑んでくれる。
彼女のこの笑顔があれば、僕は何だって出来る気がした。
毎日毎日飽きることもなく、彼女はきっちりと時間通りに起きては僕のための朝ご飯を作ってくれる。
もちろん、一週間の内で同じメニューが出るなんてことは絶対ない。よくそれだけのレパートリーがあるな、と感心するほどのレシピの多様さを、彼女は毎日僕に見せてくれていた。きっと彼女は、そんなこと全く意識してなんかいないんだろうけれど。
そんな他愛のないことで愛しさを感じてしまう僕は、きっと毎日とてもみっともない顔をしているんだろうと思う。
でも、僕は毎日幸せだった。
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