大巫女と開幕の祖

10/11
前へ
/230ページ
次へ
 言い切る巫女を、男性は複雑な面持ちで見詰めた。 「そなたの血と力……残す気は無いのか」 「無い。必要性を認めぬ」  取り付く島も無い。  男性は小さく溜息をつき、巫女を見た。 「そうか……では、必要性を認める時が来たら助力しよう」  巫女が不審な眼差しを向ける。 「ははははは!ワシではない」  「歳を考えろ」 「うむ、ワシが今少し若ければ側室に迎えたかったぞ」 「断る」  最後まで巫女は傲岸不遜な態度を崩さず  男性は咎めずに  一つの盟約が成された。
/230ページ

最初のコメントを投稿しよう!

102人が本棚に入れています
本棚に追加