大巫女と開幕の祖

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 一番に目に入ったのは、真白き髪。  奇抜な形に結い上げ、華美な簪を刺した髪は薄暗い中でも目立つ。  そして際どい作りの巫女装束。  華美な化粧とあいまって、見た目は遊女のようだが……  その身から発する強大な霊力が、全てを打ち消す。 (ほう……噂以上だな)  凄まじい威圧感に、並大抵の者なら知らず平伏すだろう。  男性も、少し気圧される。 「そなたが、破邪の巫女か」 「この杜には我しかおらぬ」  声が、先程まで共にいた霊使を思わせる。 「言うたであろう。我は我、と」 「そなた、だったか」
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