もう一人で

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不動産はこのことは何も言っていなかった。 まさか……。 「……」 僕は恐る恐る寝室のドアを開けてみる。 「……!」 そこでは猫たちが僕のベッドの上で好き勝手にくつろいでいた。 全部で……17匹。 「……はあ」 ひとつため息をつくと、ゆっくりドアを開けた。 とりあえずこの猫たちを外に出さなければならない。 「にゃー」 猫たちは僕を見ても逃げたりしなかった。むしろ、歓迎してくれるみたいだった。 昔からこの家にいたかのように。 「……おいで」 僕はそっと手を差し伸べる。まずは二匹の猫を出そうと思った。 「にゃああ」 猫は僕の考えに気づいたのか、寄ってこようとしない。 「……なんなんだ」 僕は仕方なく猫に近づいて抱きかかえようとした。
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