たくさんで

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その時はまだこの猫たちの奇妙な行動の理由が分からなかった。 「みー」 「……ん」 エサがすべて終わるころ、白くて小さい猫が近づいてきた。 「……マシュマロ」 名前は見た目のまま。マシュマロみたいにふわふわしていて美味しそうだから。 「何かな」 マシュマロは出会ったあの日、一番にエサを要求してきた食いしん坊だ。人一倍……いや、猫一倍食べるくせに小さい。 まあ、これでおでぶだったら名前も「マシュマロ」じゃなくて「大福」やそこらだったと思う。 「みー」 「……?」 マシュマロは何かを僕に伝えようとしている。 「……」 こういうとき、相手が猫だと分からない。言葉をしゃべれるのは人間だけ。 「みーみー」
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