切り札

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    Cは束縛される事で自分を見出だす事から、自分だけに見せる弱さに自分を見出だす事に、依存の対象を移した。       私だって人間だから、当たり前に弱い部分はある。 グダグダの恋愛事に執着し嫉妬し、崩れ落ちてCにすがったのは事実だ。       馬鹿だった。     コイツに弱みを見せちゃいけなかった。         私は私が見せる強い姿を、本当の私だと信じてたCが可愛かった。     弱さを引き出そうとするCのやり方は、私にとって最高の侮辱。     Cが私に向けるエゴイスティックな優しさが、思いが気配りが、全てが善意という名の暴力。   感謝の言葉を口にするのは屈辱でしかない。       Cの好意に私は追い詰められていた。       付き合い始めに出した条件。   【私が別れたくなったら、その時は別れて】     私はそれを切り出した。
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