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私は私が彼女の不安の原因の一つだなんて、これっぽっちも考えなかった。
Aクンの心の動きに共感し、味方のような立場で、一方的な視線で彼女の事を見ていた。
私の知るAクンは、きっと彼女の知るAクンとは違う。
Aクンは過去から離れたがっていた。
今が精一杯で、今しか生きてない。
彼女が知っているAクンに、Aクン自身は戻る事がもう出来なくなっていた。
今は未来への通り道。
今は必ず過去に流れていく。
Aクンにとって彼女は過ぎ去った過去であり、今である私もAクンの通過点だった。
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