視線が遭遇

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前々から思ってたけど、 きみの笑ってる顔が すきなのかもしれない だって気付いたら目で 追ってるしわたしまで ほわ~ってした気分に なる(うわ、なにこれ) わたしの斜め前の席で 楽しそうに話すきみ、 葉山くん、を見るのに 夢中でわたしの横で 話す友達の声が遠く なっていった 「茜―聞いてる?」あ、 うっかりしてた。だけど なんの話なのかよく わかんないから、その 場しのぎの相槌になっちゃう。 ふと目をやると休み 時間もあと数分、葉山 くんと話していた男子 が立ち上がった瞬間に 笑顔の葉山くんと目が あった。 ぼ~っと見ていたから 目があうなんて思うわけ なくて、想定外の出来事 だったわけで、ましてや 急なことに反応しすぎて 顔が赤くなったわけで! 下を向いてしまった わたしに更なる不意打ち、 「英語の宿題やってる?」 って笑顔で話しかけて きたのは葉山くん! 「うん、やって きた」 しどろもどろで訳 わかんない! 更に想定外の出来事に ついていけないわたし。 「俺やってないとこ あるからノート見せて?」 いいよ、はい。そう 言ってノートを渡すのが 精一杯だった、心臓 のばくばくがうるさい。 ノートの出来事の前後の 友達の話はもちろん わからなかった。 「茜、話きいてよ―!」 友達の声は右の耳から 左の耳へ。 きみを意識し始めた 最初の出来事でした。  
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