Part2 不思議な日と変な女

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Part2 不思議な日と変な女

あまりにその女が こっちを凝視しているので 俺は女に言ってやった。 「こんなとこいたら 変な奴に喰われんぞ?」 「えっ?」 「だーかーら、こんなとこ 女が来んなっつてんだよ」 「何で?」 「今、言ったろ? 変な奴来るからって」 「平気だよ。 私よくここに来るから」 「よくって、どんくらい?」 「週4かな?」 「週4……」 ショックだった。 誰にも知られていない 俺だけの場所だったから。 でも、すでに知られていた。 「えっと、君何て言うの?」 「はっ?俺に言ってんの?」 「そうだよ」 「そっちから、名乗れよ」 「あっ、ホントだね。 えっと、私は城戸隼美だよ」 「……相川北斗」 「相川君かぁ」 「北斗でいいよ」 「分かった。 北斗君って呼ぶ」 分かってねぇし……。 「っで、他に用あんの?」 「何で?」 「別に……」 「北斗君、 綺麗な顔立ちしてるね」 「あんな、男が綺麗って 言われて喜ぶかよ?」 「そっか。そうだね」 「……」 無言で俺は立ち上がった。 「もう、行っちゃうの?」 「……ジュース買ってくる」 「行ってらっしゃい」 「……何が飲みたい?」 「えっ?」 「だから、お前のも買ってくっから 飲みてぇの言えっつてんだよ」 「……スイカジュース!」 「また、マイナーな……。 買ってくるから待ってろよ」 「うん。ありがと!」 その返事を聞いて、 俺は自販機のある方に 歩いていった。 「スイカジュースとか 売ってんのかよ?」 歩いていると、 目の前に自販機があった。 でも、スイカはなかった。 「……ねぇよな」 それから、 片っ端から自販機を見ていった。 でも、いくら見ても スイカはなかった。 そして、歩いていると 暑さで汗がポタポタ落ちる。 「暑すぎだろ? つーか、スイカねぇよ……」 何でここまで スイカにこだわるのかは 自分でもわからない。 でも、スイカじゃなく 代わりのジュースを 買うのだけは嫌だった。 そして、歩いていくと 抜け道らしきものがあった。 何となく気になったので、 中に入っていった。 すると、そこにも自販機があった。 そして、そこには探し求めていた スイカジュースがあった。 「あった……。 スイカジュース……」 金を入れて、 スイカジュースを 2つ買った。
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