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俺は高校一年生の周防 大助。今、俺の周りがスローになっている。
目の前には一台の軽自動車。
次の瞬間には乗っていた自転車ごと宙を舞っていた―――――
目が覚め、周りを見渡すと白い部屋に白いベッド。
そして鏡には頭に包帯を巻いた自分が居た。
「あぁ……そうか、事故に遭ったんだっけ…」
この後傷も大して深くないとの事で家に帰して貰った。
帰る途中、一匹の猫と会った。黒い毛並の美しい猫だ。
「擬人化して俺んち来ない?」
等と呟いてみた。猫は猫で俺を危険な奴と判断したのか足早に去っていく。
「自転車も壊れちゃったし、治療費で金は無いし。もう寝るか……」
腕時計を見てみると6時を指していた。
「はぁ……只今……」
「おかえりっ!」
返ってくる筈の無い返事が返ってきた。
「あ……部屋間違えました……」
何だ?何だ今のは。猫耳付けた少女が居たけど………部屋番号は合ってる………って事はやっぱり俺の部屋だ…。
もう一回開けてみるとやっぱり猫耳少女が笑顔でお出迎え。………俺もそろそろヤバいかな……。
「君……誰?」
「私の名前は……何だろう?元々無いの」
お~い、誰か救急車呼んでくれ~。
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