序章~デアイ~

2/20
前へ
/93ページ
次へ
俺は高校一年生の周防 大助。今、俺の周りがスローになっている。 目の前には一台の軽自動車。 次の瞬間には乗っていた自転車ごと宙を舞っていた――――― 目が覚め、周りを見渡すと白い部屋に白いベッド。 そして鏡には頭に包帯を巻いた自分が居た。 「あぁ……そうか、事故に遭ったんだっけ…」 この後傷も大して深くないとの事で家に帰して貰った。 帰る途中、一匹の猫と会った。黒い毛並の美しい猫だ。 「擬人化して俺んち来ない?」 等と呟いてみた。猫は猫で俺を危険な奴と判断したのか足早に去っていく。 「自転車も壊れちゃったし、治療費で金は無いし。もう寝るか……」 腕時計を見てみると6時を指していた。 「はぁ……只今……」 「おかえりっ!」 返ってくる筈の無い返事が返ってきた。 「あ……部屋間違えました……」 何だ?何だ今のは。猫耳付けた少女が居たけど………部屋番号は合ってる………って事はやっぱり俺の部屋だ…。 もう一回開けてみるとやっぱり猫耳少女が笑顔でお出迎え。………俺もそろそろヤバいかな……。 「君……誰?」 「私の名前は……何だろう?元々無いの」 お~い、誰か救急車呼んでくれ~。
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!

297人が本棚に入れています
本棚に追加