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でも、後々の事を考えると関わりたくないなぁ…
よし!ここはやっぱり…
「さあ、教室に行きますよ。早くついて来てください」
と言って歩き始めた男子生徒に、ビックリした清香は慌ててついていった。
「あのぉ~もう大丈夫ですから、ここでいいです」
しばらく歩き校舎が見えてくると清香はそう言うと、男子生徒は足を止めて清香の方を振り返った。
「また迷子になったら、今度こそ入学式に間に合わなくなりますよ?
それは困るでしょ?」
「うっ…それはそうですけど…」
「清香!」
清香が男子生徒に反論しようとしたところ、名前を呼ぶ声がそれを遮った。
「和真(カズマ)どうしてここに?」
清香の名前を呼んだのは篠田和真(シノダカズマ)、清香と同じ高校1年生だ。
清香と和真は家がお隣の幼馴染みで…
そっか、和真はこの学園に中等部から通ってるんだっけ
和真は中等部から朝宮学園に通っており、高等部もエスカレーター式に上がれたのだった。
「たく、清香は方向音痴なんだから自覚持てよな」
「だって和真…」
「だってじゃない。おばさんにも一緒に行くようにって念押しされてたくせに、先に行きやがって…」
和真は、はぁっと深いため息をつくと呆れた表情で清香を見て「案の定迷ってるしな」と言った。
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