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卒業を控えた年の11月、小春日和。
朝から何だか体がおかしかった。
だるくて…気持ち悪くて…。
穏やかなはずの陽気は、少年の元まで届かない。
優しいはずの風は怖い顔をして、少年の歩みを狂わせる。
登校中の賑やかな通りが一瞬ひどく歪んで…辺りは真っ白になった。
気が付いた時には白い天井。
白い壁。
夢の続きなのか、現実なのか。
鈍く痛む頭で、ようやく自分が病院に運ばれたことを理解する。
腕に入ったチューブからはどこまでも赤い血液が少年の中に流れ込んでいて、吐き気を憶えた。
その後少年は…自分の運命を知る。
辺りは死の臭いが立ち込めていた。
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