狂い始めた未来

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なぜかは分からない。 子供が珍しかったからかもしれない。 気付いたときには、猫の頭の中は少年でいっぱいだった。 興味がわいた。 少年を知りたいと思った。 数日様子を伺って分かったのは、優しそうな両親が毎日見舞いに来ること。 トマトが嫌いなこと。 カメラが大好きなこと。 名前は『トシヤ』。 …余命半月であること。 これから見送る人物に情が移ると悲しくなる。 それは猫にも分かっていた。 でももっと近づきたくて。 その瞳で自分の姿を捉えてほしくて。 …猫は禁忌を犯した。
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