第二章

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二月七日、金曜日の六時限目。 新年明けて一ヶ月、あっという間に過ぎてしまった。 世界史の先生の催眠術を受け、ぱたぱたと倒れていく同志たち。 私も御多分に洩れず、先生の術中に嵌ろうとしていた。   薄れゆく意識のなかで、だるい目を恵二のほうにやる。 視界の中で恵二だけがノートに向かい、板書をしていた。 あとでノートみせてもらおう。そう思いながら、私は意識を手放した。  
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