序章

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この恋にはとても大きな障害があった。   彼女は明るく、性格も器量も成績も良いという、絵に描いたような才色兼備の女性だ。 その人間性にひきつけられるものは男女問わず大勢居る。   美術部に所属しており、よく夕方遅くまで美術室に篭って絵を描いているのだが、その凛とした姿こそ、まさに絵になるべきものだと考えるものも少なくないであろう。   彼女は同じ美術部の三年生の男子生徒と付き合っている。 その男子生徒もとてもおおらかで優しく、整った顔をした青年で、彼女たちの雰囲気はいつだって和やかだ。
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