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[?][?]ずっと一緒[?][?]
気付けば、夏もすっかり終わって、秋の風が吹き始めていた。
あたしの横には、変わらずにアイツがいた。
その頃、アイツが族の総長になるらしい噂がたった。
『オレ、つぎの頭になるかもしんない。』
嬉しそうに話していた。
『…』
あたしは不安だった。
『頭になんかなったら、今より危険なコトいっぱいあるじゃん?』
あたしはアイツが自分の手の届かないトコに行っちゃいそうで怖かった。
『お前、何言ってんだよ、オレが頭になったら、お前、頭の女だぜ?』
悪気なく言うアイツに腹が立って、あたしはそばにあった灰皿を投げ付けて泣いた…
人前では泣いたコトなんかなかったあたしが、声をあげてワンワン泣いた…
『お前、何泣いてんだよ…ゴメン…もう泣かせるようなコトしないから』
って、アイツはあたしを抱きしめた。
その時、あたしは初めてアイツに抱かれた…
ずっと一緒にいようって約束した。
泣きすぎて腫れた目をしたあたしの頭をクシャクシャと撫でながら、アイツは強くあたしを抱きしめた。
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