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結局あたしはそのままアイツの待ってる家に逃げるようにして帰り、すぐに今のコトを話した。
『大丈夫か?怖かったろ』
アイツはあたしの頭をいつものようにクシャクシャに撫でながら、
『お前、ここで待っててくんね?』
『ヤダ!一緒にいて』
しがみつくあたしを振りほどいて、
『待ってろ!俺達には、仲間を見捨てるコトなんかできねぇんだ!それが、俺達の掟なんだ!』
そう言うと、アイツは家を飛び出して行った。
すごく不安だった…
一人の時間がすごく長く感じた…
その時、アイツの先輩から電話があって、あたしは先輩に、
『アイツ、タケシのコト助けに行ってまだ帰って来ないの!もしかして、怪我してるんじゃ…』
って、半泣きで言った。
そしたら先輩が
『拓也なら大丈夫だ。それより、よく聞きな。
お前の男は暴走族で、次の頭になるかもしれない男だ。そんなヤツが仲間やられて黙ってるわけがないだろ。お前は、拓也の全部を受け止めたんだろ?厳しいコト言うようだけど、まだまだお前の知らない世界があるんだよ。その度にお前はそうやって騒ぐのか?
そんな中途半端な気持ちなら、お前の為にも良くない。
だったら、知らない世界を知ってしまう前に、拓也と別れた方がいい。』
そう言われて一方的に切られた…
知らない世界って何?
よく新聞とかに出てる暴走族同士の抗争とか?
テレビでやってる警察24時みたいなアレ?
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