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アイツは、頭から血を流していた。
ココに来る途中で他のチームとケンカになったらしい…
向こうは15人くらいで殴りかかってきたらしい。
アイツは一人でみんな殴って帰ってきたって、笑いながら話していた。
『あ!栞ぃ!』
アイツがあたしに気付く。
『…』
『なんだよ、怒ってんの?ケガしてんだから、優しくしてよぉ』
『うるさい!心配したんだから』
ヘラヘラ笑っているアイツに腹が立った。
そんなとき先輩が、
『オレがこないだ言ったお前の知らない世界ってのはこういうことだ。
拓也が頭になったってことは、そのぶん敵も増えるし危ないこともいろいろある。それでもお前は拓也についていけるのか?』
あたしは覚悟を決めた。
『あたし、何があってもアイツのそばにいるよ。』
『おぉ、それでこそ頭の女だ』
アイツが背負う重みをあたしも一緒に背負ってやろうじゃないの!
頭の女ってのも悪くないと少しだけ思った夜…
相変わらず単車の爆音やテールランプは心地よかった。
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