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緩く編み繊細な金細工でとめた、漆黒の艶やかな髪は、金色の眼の煌めきが、特有の甘美さを際立て、硝子細工のような危うさを持つ、端正な顔立ちによく似合っている。
陶器のように滑らかな、肌理の細かさの乳白色の肌は、夜の光に照らされ、神神しい美しさを放つ。
華奢な腕は鮮やかな紅の更紗のショールをゆったり巻き付け、折れそうな首には、揃いの金細工の長いネックレスをかけている。
ほっそりとした肩を剥き出しにした、胸から腰のくびれが強調される大胆なデザインのワンピースは、細い体躯をよりしなやかに見せた。
ただ異質なのは金の装飾品しか付けておらず、両足は裸足であることだ。
神秘的な輝きに満ちた少女は正真正銘、件の猫だ。
名を淡夜(あわや)と言う描妖である。
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