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「あーわや!!!」
弾けるような笑顔で淡夜の腕に抱きついた。
「わっ。」
淡夜の身体が少し傾く。
肩までの綺麗にウェーブのかかった金茶髪に、薄い茶色のたれ目の白地にピンクの小薔薇を散らした、裾の短いシフォンドレスを着た可愛らしい感じの女の子。
ほのかに百合独特の匂いが香る。
淡夜は、すぐ柔らかな笑顔になった。
「花音(かのん)、久しぶりー。」 件の少女は、そのままの体勢で顔を腕にすりすりと擦り寄せた。
「ちっ、空気読めない奴。」
燗は、眉間に皺を寄せる。
「高貴な血筋だがなんだか知らないけど、淡夜は花音のものなの!!!」
花音はべー、と舌を出した。
「はぁ?意味分んねー。」
燗の表情は、だんだん険しくなる。
「だいたいそんな格好で出てくるあんたも空気読めてないし!」
花音の勝ち誇ったような顔に燗の苛立ちが沸き上がった。
「燗はいっつも口で花音に勝てないねー。」
淡夜は、他人事のようにのんびり喋る。
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