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「学校どうだった?仲良くなれそうな子いた?」
帰宅した私にママがすぐさま駆け寄ってきて聞いてきた。
ママなりにちゃんと心配してくれてたんだ…。
「思ったより転校も嫌なものじゃなかったよ!クラス委員長の子がね…。」
小泉さんの事を話す私にママは目を細めて嬉しそうに聞いてくれた。
私にとっての幸せはママの幸せって事にもなるんだなって…。
この時、素直に再婚の事を喜んであげられなかった事が私の頭をかすめた。
再婚が反対じゃなくて転校が嫌だっただけなんだけどもね。
ママが喜んでくれるならママの旦那さんが帰ってきたら、パパって呼んでみようかな。
今まで《三枝さん》って呼んでいたけど、私も三枝になったわけだしね…。
料理がまだ途中だったの…とママがキッチンに戻ったので私は二階の自分の部屋へと向かった。
着替えなきゃ…と思いつつ制服のままベットに横たわるといつのまにか目を閉じて眠っていたみたいで。
何かに揺り動かされて私は目を覚ました。
部屋は暗くて外から差し込む街灯の明かりでぼんやり人影が揺らめいて。
なんだろう…?
頭の働かない私はゆっくり体を起こす。
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