11人が本棚に入れています
本棚に追加
朝。
「いってきます!」
玄関を勢いよく閉め、外へ飛び出すように出ていく。
私は千夏。中学3年生。ちょっと小さめの身長だけど、持ち前の明るさが自慢の1つ。吹奏楽部をやっていて、アルトサックスを吹いている。
そんな私には3人の親友がいる。
いつもの通学路をまっすぐ進み、小さな八百屋さんが見えたら左に曲がると、私の親友の1人、萌の家。
「萌ー!おはよう!」
玄関の前には萌が立っていた。
「千夏!おはよおー」
眠いのか、あくびをしながら返事をする萌。
萌は小学校からの友達。千夏より少し小さめで、普段から落ち着きがある。…というよりは、おっとり天然タイプ。吹奏楽部のフルート担当。
「ねぇ萌ー。宿題やってきたー?」
「まぁ一応ねー」
「まじ?じゃあ後で見せて!」
「いいよー」
こんな会話はいつもの事だった。そして、そのまま道なりに進むと加恋の家である。
家の前には加恋がいた。
「加恋ー!」
私と萌は、手を振りながら加恋に近付く。
「ちなっちゃん、もえたんおはよ!」
加恋は私と萌に大きく手を振った。
加恋は背が高く、スタイルがいい。どっちかというと、ギャル系のかわいい子。唯一、千夏の事を『ちなっちゃん』と呼ぶ。千夏と同じでアルトサックス担当。
そして最後に唯の家につく。
唯はまだ外に出ていない。
「ゆいぴょんー!」
玄関の前で加恋が大声で叫ぶ。
「加恋!うるさい!千夏、萌おはよ!」
勢いよくドアを開け、 加恋に注意する唯。
唯はこの4人の中で一番身長が大きい。ボーイッシュな子で、さっぱりしている性格。吹奏楽部のパーカッション担当。
こんな性格が違う4人はいつも一緒だった。
萌が時計を見た。
「やばっ!そろそろ走らなきゃ!学校遅刻しちゃう!」
「嘘!みんな!走れー!」
加恋がそう言うと、私達は走った。
「疲れるー!」
「我慢だよ!ファイト!」
私達はそんな会話を繰り返しながら、学校に向かって走った。
最初のコメントを投稿しよう!