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「ギリギリセーフ!」
ダッシュで教室に駆け込む私達。そこに待ち受けてたのは、先生だ。
「はい、お前ら遅刻な。」
ポンと私の肩を叩いてそう言った。
「えー!間に合ってるよー!」
加恋は教室の時計を指さして言う。
「あー…。この時計遅れてるんだよね。5分。」
「まじねーし!直しとけよ!」
こんなやりとりをしながら、私達は席につく。
私達のクラスは3年2組。みんな一緒のクラスだ。
「1時間目は…嘘ォ!家庭科だし!教科書忘れたぁ!」
唯が大声で叫ぶ。
「まあまあ。あたしの教科書貸してあげるからさ」
萌が唯に言う。
「やっぱ持つべきものは友だよ!親友!いやー、萌がいて助かった!」
「私はぁ?!」
「加恋はぁ?!」
「千夏と加恋~?親友じゃないよー。………嘘だよ!親友だってばぁ!」
親友。
この言葉を私に最後に言ってくれたのは唯。
この日以来、萌達からは親友という言葉が口にでなくなった。
私に対して…だけ。
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