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昼休み。
私達は教室のベランダでおしゃべりするのが日課。
くだらない話ばかりだが、学校の中で一番楽しい時間。
しかし、今日。私はいつもと違う雰囲気を感じた。
「ねぇ!みんなはさぁ、高校とか決めた?加恋はねぇ…とりあえず行ければどこでもいいかなぁ!」
加恋がみんなに問い掛ける。
「あたしはぁ…頭がいい所に行きたいなぁ。唯は?」
「んー…。まだ全然決めてないや」
「私は…」
私が喋ろうとしたとき。異変が起きた。いつもはないことなのに。
「あー。やっぱみんなまだ決めてないかぁー」
シカトされた。加恋に。
「まぁ、3人で同じ高校行けたらいいね!」
「うん!加恋と、ゆいぴゅんと、もえたんで一緒の高校行きたぃねぇ!」
私は突然の事に驚きを隠せなかった。
「ねぇ!私は?!」
すると、加恋が私の方を向く。じっと見つめてくるので、私も加恋を見つめた。
私は、また何かの意地悪だろう。と思い、加恋を見つめて笑顔になる。
その時、加恋の一言。
「ねぇ!なんかさっきから視線感じるんだけど!ここに何かいる?!」
加恋は私の立っている所を指差し、そこに何もいないかのように腕を振る。
「痛…!」
加恋が腕を激しく振った為腕がぶつかる。
「もしかして幽霊じゃない?!」
唯と萌も加恋にのっている。
「恐ーい!幽霊さんこないで!!」
加恋は私を突き飛ばした。私はバランスを崩し、しりもちをついてしまった。
「いたたたた…」
キャハハハハ…
加恋、萌、唯が私を見て笑う。みんな口々に、ダサイ。キモイ。などを口にしている。
私は感じた。今日この瞬間から、私の存在がなくなったと。
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