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そんな
想いを秘めていたある日の事だった
その日は雨が降っていて
私は傘を持っていなかった
でも
雨に濡れても構わないと
思い
傘もささず
帰ろうとしたその時だった私の背後で声がした
「傘ないのか?」
…
その声の主は
笹沼君ではなかった
担任の先生だった
私はこくんと頷く
担任の先生は
「今なら小降りだから傘なしでも大丈夫だろうから…」
…
そうだよね
私なんかに傘かしてくれる人いないよね…
担任に
まだ名前すら
覚えて貰ってないし
きっと
影薄いんだよね…
一人で色々思っていると
「須藤さん…傘かそうか?」
この声
笹沼君…
「いいの?」
私は嬉しくて思わず言葉が
出た
笹沼君は
驚いた顔をして
「もしかしたら本降りになるかもしれないし…俺どうせ今日迎えだから」
そういい
傘を差し出してくれた
駄目だ
どんどん好きになる
優しくされた事がないから
勘違いしそうになる
笹沼君は
ただ人として
当然な事をしてくれた
それだけなのに…
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