カケラ

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ザーザーザー… 雨が降ってる…。 寒そうだなぁ…。 僕は、車と言う小さな箱の中から外をみていた。 「こいつ、何処に捨てんだよ。」 「川沿いのあの橋の下がいいんじゃないの?」 「でも今、あそこに捨てたら…。」 「しょうがないでしょ。もう、私達のペットじゃないんだから…。」 前の座席からお姉さんとお兄さんの喋り声が聞こえてくる。 僕の優しい、優しいご主人様。 自慢のご主人様。 言葉は通じないけど、僕は、心は通じてると思ってる。 けど、今日のお兄さんとお姉さんは、なんか変だなぁ…。 いつもと違って元気がないや。 僕はお兄さんと姉さんが寂しい思いをしてると思って元気を出さしてあげようと小さく鳴いた。 「ミャーミャー…。」
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