カケラ

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「ミャー…ミャー…。」 痛いよ…。 お兄さんは、お姉さんに殴られる僕を見ているだけだった。 お兄さん助けて…。 と一生懸命鳴いても、お兄さんは、僕を助けてくれなかった。 「着いたぞ。」 そのお兄さんの声に、お姉さんは、やっと僕を殴るのを止めた。 しかしその頃にはもう、僕の体には少し、血がにじんでいた。 僕は力なく、鳴いた。 誰も助けてくれないのかな? と、嘆いただけだった。 車が停まると、お姉さんは、箱の中に僕を入れ、外に出た。 後ろには、お兄さんもいる。
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