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『嘘だ!だってお母さんも言ってたもん!』
『じゃあ…お母さんは何で人間になれないの?悪い事をしたの…?』
『お母さんは…お母さんはあたしの為に…人間にならなかったんだ!』
メイサは寂しい笑顔を見せた…
『ミー…あたし達の寿命は人間で言う10才くらいが限界なんだよ……それでもあたし達は80才になってしまう……』
ミーは驚いた…
『人間になれるなんて夢の話しだよ……』
『違うもん!だってマーサは人間になれたって……』
『あんたは子供だ…これから色々な事を憶える……もしも…人間になれるとしたら…あんたが死んで生まれ変わった時だよ…』
ミーは黙った……
『おーい!ミーちゃん!用意出来たよ。』
健太が叫んだ。
『あんたの好きな人だね……あたし…信じないけど…祈るよ……あんたが人間になれるように……』
『あ…ありがとう……』
ミーは言った…
『ありがとう…?何それ?』
『ありがとうは、嬉しい時や、友達に言う言葉だよ…』
『ありがとう…か…いい響きの言葉だね…』
メイサは目を閉じた…
『ミーちゃん!おいでーっ!』
健太の声にメイサは背を向けた…
『幸せに…ミー…あんたなら必ず人間になれる…そんな気がする…』
メイサは走り去った。
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