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prologue
六月
冷たい雨が降っている
ボクは身体を丸めて、少しでも堪えられるようにしていた
茶色の箱に雨が染み込んで、ボクの身体を濡らす
毛は汚れて、ボサボサになっている
どうして誰もいないの?
最初は必死に鳴いていたけど、助けなんか来ない
きっとこのままボクは死んじゃうんだ……
おかあさんの所に帰りたい……
ガサッと音がして顔を上げると、箱が開いていて、ニンゲンの男の子がこちらを見ていた……
……これが全ての始まりだった
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