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その兄弟達の姿も、僕の目の前には無い。
周りを見ても居ない。
僕は独りぼっち…。
このまま何も食べられず、ずぶ濡れで身体が冷えたまま死んで行くんだ…。
死ぬ…。
嫌だ!!
そんなのは嫌だ!!
生まれて直ぐに死ぬなんて嫌だ!!!
「みゃっ!!みゃー…!」
残ってる力をふり絞り僕は鳴いた。
誰でも良いから、僕を助けて!!
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「…みゃ…。」
「あっ!!ママ!!猫ちゃんが目を覚ましたよ!!」
「え?本当に?」
「うん!!だから早く!!早く!!」
目を覚ました僕の耳に、何か大きな生き物の叫び声が届いた。
それは、何か慌てた様にドスン!!ドスン!!と大きな地響きで床を揺らしながら走り、僕の顔の前へ。
「にゃっ!?」
あまりにも大きな顔をしている生き物に、僕は驚いた。
僕と同じ様に目が二つ。
それと鼻は一つで穴が二つ。
耳もある。
だけど僕とは違う所についてて、顔には毛がない。
いや…一応あるんだけど、僕とは違って部分的に毛がある。
正直…気持ち悪い。
しかも大きな口で、今にも僕を食べてしまうんじゃないか?って思えるくらい口を大きく開いて何か叫んでいる。
怖い!!
「あら、本当に目を覚ましたみたいね。」
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