第一章 そして運命のとき

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 進級して初の顔合わせのクラスなんだけど、なんだかあんまり変わってないなぁ、と思うのはわたしだけなのかな?  だけど担任の先生は変わって、一番最初におまえ達は先輩になるんだぞって言われたんだ。  先輩、かぁ。わたし、先輩になって何か変わるのかな。変わらなきゃいけないのかな。  なーんて、わたしの柄じゃないか。  気がつけば教卓に手をついて、先生が自分の自己紹介をしていた。そしてそこから来る流れはある程度分かっているつもりなのだ。 「よし、時間も余ったしみんなにも自己紹介をしてもらおうか。まぁ知ってる顔がそろってるから簡単でいいぞ」  たはは。やっぱりそうなるのか。わたし苦手なんだよね、恥ずかしいって言うか緊張しちゃうって言うか。  徐々に順番が近づく中で、やっぱり胸が高鳴っているのを感じつつ、わたしの前の席の女の子が着席するのを見た。 「じゃあ次は朝霧だな」  はい、と言って立ち上がると、何人かの視線がこちらを向いていた。当然そのなかには明日香ちゃんや美帆ちゃんもいた。 「えっと、朝霧優奈です………。」
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