第一章 そして運命のとき

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 それからわたしと美帆ちゃんは笑って、明日香ちゃんは楽しそうに怒っていた。  明日香ちゃんって少し素直じゃないところがあるから、本当は嬉しいのに、わざと怒ったり強がったりするんだ。  明日香ちゃんと出会って、友達になってからもう5年になるのか。いつの間にか仲良くなってたって感じだったな。  美帆ちゃんは中学に入ってからの友達なんだ。  最初の頃に、男の子に少しからかわれていたことがあって、明日香ちゃんがあの性格だから男の子は逃げちゃったんだっけ。その後には、仁王立ちになって、 「乗りかかった船だし、しばらく私たちがあなたを護るわ」  なんて言ってたっけ。  乗りかかったというか、ほとんど飛び乗ったに近いんだけど、それから男の子はからかわなくなって、これもいつの間にか仲良くなってたんだよね。  それで今でも明日香ちゃんは明日香ちゃんであって、相変わらずの元気さなんだね。  それから明日香ちゃんはしばらく怒ったフリをしてから解散になりました。  空がオレンジ色に染まり、夕日が山に吸い込まれかけている時刻でした。
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