ヤサシクアツカッテ

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ナオちゃんは東京の何とか女子校から来たピカピカの高一だ。 さすが東京、可愛い・オシャレ・いい匂い。 毎日牛の糞にまみれてる俺らとは違うっつーの。 しっかし、従姉妹の従姉妹?だか知らねぇけど、ファームステイしたいなんてどういう女子校生よ。 つか、時々落ち込んでる感じはかなりワケアリ?みたいな。 まあ、可愛いからいいんだけどね。 俺は新しい藁を敷き終えると牛舎から出た。 太陽が眩しいゼ。 俺の考えた最大の都会っぽいセリフをつぶやいて、ホースの水を出し、長靴の泥を落とす。 そうさ、俺は泣く子も黙る農家の一人息子だべ。 日本の未来を担う、明るい中3っつーの。 俺は泥の落ちた長靴軽やかに、ナオちゃんを呼びに母屋に向かった。
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